建築積算と電気積算の違いってなに?

~どちらも“積算”だけど、見ているものがまったく違う!~
積算とは「工事に必要な数量やコストを算出する仕事」。
では、建築積算と電気積算は何がどう違うのでしょうか?
◆ そもそも積算には分野がある!
建設業界では、積算は工種ごとに専門分野が分かれているのが一般的です。代表的なのが以下の3つ:
積算の種類 | 主な対象 | よくある職場 |
---|---|---|
建築積算 | 建物の構造・仕上げ・仮設など | ゼネコン、設計事務所、積算事務所 |
電気積算 | 照明・配線・コンセント・制御盤など | 電気工事会社、設備会社 |
設備積算 | 給排水・空調・消防など | 設備会社、設備設計事務所 |
今回はこの中でも、「建築積算」と「電気積算」の違いにフォーカスします。
建築積算と電気積算の【5つの違い】
① 扱う“図面”が違う!
分野 | 主に見る図面 |
---|---|
建築積算 | 意匠図・構造図・仕上表など |
電気積算 | 電気設備図・結線図・配線図など |
📌 建築は「建物そのもの」、電気は「建物の中を流れる電気の道」を見ます。
② 拾い出す“数量”が違う!
建築積算が拾うもの | 電気積算が拾うもの |
---|---|
コンクリート、鉄筋、仕上材 (クロス・床など) | 照明器具、スイッチ、ケーブル、分電盤など |
📌 建築は「材料の体積や面積」、電気は「器具の個数や配線の長さ」を拾うのが中心です。
③ 使う“単価情報”が違う!
- 建築積算:材工(材料+工賃)の相場、労務費、建築資材の価格など
- 電気積算:器具メーカーの定価表、配線材料の単価、電気工事単価など
📌 電気はメーカーごとの価格が重要になる点が特徴です。
④ 工事内容への“知識の深さ”が違う!
- 建築積算は、構造や施工手順など建築工法の理解が必要
- 電気積算は、回路の種類・施工方法・電気容量など設備としての理解が必要
📌 電気積算では「この回路は動力用か?照明用か?」といった**“機能的な視点”**も求められます。
⑤ 協力する相手も違う!
- 建築積算:設計者・現場監督・建築資材メーカーなど
- 電気積算:電気工事士・設計担当・電材業者など
📌 電気積算は、専門的な職人や技術者との連携が多くなります。
どっちが難しい?どっちが向いてる?
向いている人の特徴 | おすすめの積算分野 |
---|---|
図面をじっくり見るのが好き | 建築積算 |
配線や機械・仕組みに興味がある | 電気積算 |
現場よりも“計画や理論”が好き | 建築積算・電気積算共通 |
数字や正確さに強い | どちらもおすすめ! |
まとめ:「積算」といっても専門性はさまざま!
建築積算と電気積算は、目的は同じ(工事費を出す)でも、内容・視点・使う知識が大きく違う仕事です。
どちらも建物が完成するために欠かせない“縁の下の力持ち”。
現場を知りたい、専門性を深めたい、数字に強くなりたい——
そんな方にとって、積算の世界は奥が深くてやりがいに満ちています!