積算士がやっている!図面チェックのコツ

~“読み飛ばし”を防いで、精度アップにつなげるプロの習慣~
建築積算や電気積算で最も基本かつ重要なのが、図面を正確に読み取ること。
でも、枚数が多かったり情報が分散していたりして、うっかり見落とし・拾い漏れが起きがちです。
そこで今回は、**積算のプロが実践している「図面チェックのコツ」**を5つに絞ってご紹介します!
初心者にも明日から使える、実務で役立つ内容です。
① チェックは「図面全体 → 部分」の順で進める
最初にいきなり細かい部分に目を向けると、全体の流れや構成を把握できず、見落としが増える原因に。
✅ コツ:
- まずは図面一式をざっとめくり、図面番号とページ構成を把握
- 建物の階数・構造・用途を把握して、全体イメージをつかむ
- その後、平面図 → 断面図 → 仕上表などへ順にチェック
📌 積算前の「図面オリエンテーション」時間を10分だけでも設けると◎
② 凡例(シンボル)と縮尺を最初に確認する
凡例を見ないまま積算を始めると、「この記号なんだっけ?」と途中で手が止まりがち。
✅ チェックポイント:
- 図面に使われている記号・略称・凡例をメモしておく
- 縮尺(1/50, 1/100など)を把握し、スケール対応をミスらない
- スケールをあてて拾う場合は、図面の印刷サイズと一致しているか要確認!
③ 階ごと・部屋ごとに「拾い範囲」を区切って見る
一気に全部の図面を拾おうとすると、ミスも倍増します。
✅ 実践方法:
- 平面図に「色ペン or 積算ソフトでマーキング」して、作業済みエリアを可視化
- 1フロアずつ、あるいは部屋ごとに「拾い完了」サインをつける
- 複数階の同じ間取りでも、コピーせず必ず確認!図面が微妙に違うことも多い
④ 図面と仕上表・仕様書を“セットで”確認する
仕上表や仕様書を見落とすと、「見た目は同じでも材料が違う」部分を間違えることも…!
✅ セットで見るポイント:
- 壁・床・天井の仕上げ材は仕上表と図面を照らし合わせる
- 建具(ドア・サッシなど)は建具表と詳細図の二重チェック
- 電気の場合は器具リスト+配線図+系統図の突合せが鉄則
⑤ 拾った後に「拾い漏れチェックシート」で再確認
一通り拾い終わったら終わり、ではなく、チェックリストで自分の作業を見直すのがプロの習慣です。
✅ よくある拾い漏れ項目:
- 共用部(階段・EVホール・トイレなど)
- バルコニー・庇・屋上関連部材
- 小規模な器具(点検口・センサー・誘導灯)
- 矩計図にしか描かれていない特殊納まり
- 電気・設備系の“見えない配線”
📌 自作でもOK。「拾い忘れがちなポイント表」を積算チームで共有すると効果大!
まとめ:図面は「拾う前」に“読み方”が勝負を決める!
積算精度は、図面を見る力=**「読み取り力と観察力」**にかかっています。
✅ プロが実践している図面チェック5ヶ条:
- 全体を把握してから部分に入る
- 凡例・縮尺を最初に確認する
- 拾う範囲を分割し、見える化する
- 図面+仕様書+リストをセットで確認
- 拾い後に“漏れチェック”を必ず実施