特定技能2号でどう変わる?今後の外国人採用の展望

特定技能2号でどう変わる?今後の外国人採用の展望

~「一時的な労働力」から「永続的な戦力」へ~

2019年に創設された「特定技能」制度。
特に人手不足が深刻な業種(建設・製造・介護など)では、即戦力となる外国人材の採用手段として急速に浸透しています。

その中で、2023年以降注目されているのが「特定技能2号」の制度拡充。
これにより、外国人材の“短期雇用”から“長期戦力化”へのシフトが現実味を帯びてきました。

では、特定技能2号とは何か?
そして、企業の外国人採用にどのような変化をもたらすのでしょうか?


特定技能2号とは? ― 制度の基本をおさらい

特定技能特定技能1号特定技能2号
在留期間最長5年更新により無期限可
家族の帯同不可配偶者・子どもの帯同が可能
職種14分野建設・造船・自動車整備など(2023年以降拡大)
要件技能・日本語試験合格さらに高度な技能評価試験に合格すること

つまり、特定技能1号は「一時的な人手補充」
**特定技能2号は「長期的な定着人材」**としての受け入れが可能になる制度です。


どう変わる?企業にとっての3つの変化

① 外国人材の“定着化”が現実に

従来の技能実習や特定技能1号は、「5年経ったら帰国」が前提でした。
しかし、2号に移行すれば在留期間に上限がなくなり、永続的な雇用が可能になります。

✅ 企業にとってのメリット:

  • 経験者を長く活かせる
  • 教育・育成の投資が無駄にならない
  • 現場のリーダー候補として育成可能

② 「家族帯同」が可能に → 安心して長く働ける環境へ

2号になると、配偶者や子どもを日本に呼び寄せることが可能になります。
これは外国人本人にとっても大きな安心材料となり、モチベーションや定着率の向上につながります。

✅ 企業ができる配慮:

  • 家族向けの生活サポート(住居・学校・医療)情報の提供
  • 家族帯同が見込まれる人材に対するキャリア設計の提案

③ 求められるのは「育てる視点」と「制度理解」

特定技能2号は、試験に合格しなければ移行できません。
そのため、企業側が長期的な視点で教育機会やスキルアップ支援を行う体制が求められます。

✅ 必要な準備:

  • 社内での研修・教育制度の整備
  • 2号試験の内容や実施情報の把握
  • モチベーション管理・キャリア面談の実施

今後の外国人採用の展望:戦力から“仲間”へ

少子高齢化が加速する日本において、外国人材の重要性は今後ますます高まります。
「短期雇用」から「戦略的定着」へと舵を切るには、制度の変化を正しく捉え、自社の受け入れ方針を明確にすることが不可欠です。

🔍 企業が今からできること:

  • 1号から2号へのステップアップ計画をつくる
  • 人事制度に「外国人スタッフの昇格基準」を明示
  • 外国人社員が“長く働きたい”と思える企業文化づくり

まとめ:2号が示すのは、“共に働く未来”への道しるべ

特定技能2号の拡充は、単なる制度変更ではなく、
「外国人材をどう受け入れ、どう育てていくか」という企業の姿勢が問われるターニングポイントです。

目指すのは、“一緒に働く仲間”としての関係。
採用だけでなく、育成・定着・活躍までを見据えた採用戦略が、これからのスタンダードになります。